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《ガーッガーッガーッガーッ》
暇をしているあたしの頭の上を警報音が鳴り響く。
めちゃうるさい。
あたしは数年前、城の非常スイッチを押してすげぇ怒られたのをぼけーっと思い出していた。
思考停止している私の視界の端に見える魔王は慌てることなく静かに腰を下ろしている。やっぱ魔王は身じろぎしないんだと、ちょっと感心した。
側近
『魔王様、勇者が城まで侵入してきました』
魔王を観察しているといつの間にか側近の方が現状報告をしていた。
それを聞いた魔王は、なるほどな…と清々しい顔をしながら立ち上がる。
魔王
『地震ではなかったか』
姫
「地震だと思ってたのかよ!?つか、揺れてねーし」
魔王
『いや、他にも予想はしていた。地震、雷、火事…白アリ」
姫
「城が危ない」
側近
『地震、雷、火事、"オヤジ"です。白アリはCMでしょう』
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