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口に出してはいけないと思った。
それが事実に成って、認めるしかなくなるから。
「あの人を見てると
真っ直ぐ過ぎて後ろめたい。
引き返す事も出来たけど
それを選ぶ事はできなかった。
幸せになって欲しいのに
それに自分が関与してない事が
正直歯がゆいです」
「いいねぇ」
「そして貴方にこんな事言わなきゃいけないのが凄く嫌です」
「おい」
見事なツッコミを入れられる。
「すみません。
ありがとうございました」
席を立ち頭を下げた。
「羽山」
「はい」
「俺、頼られるの嫌いじゃない」
「……は?」
年上相手に酷い態度をとってしまった。
慌てて取り繕うように顔を戻す。
「お前が屈辱に耐えて本音を口にした事
後悔しない日が来るよ
多分」
ふ、と笑う初見さん。
「……」
もう一度頭を下げて部屋を出た。
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