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設計部の研修が終わり二つ隣の部署に淳君が配属された。
持ち前の明るさと人懐こさと
不快ではないくらいの近さで
2日もすれば既にムードメーカーになっていた。
「君が羨ましいよ」
「え?何で?」
「人間関係適応能力の高さ」
「あはは。
羽山さんそういうの煩わしそうだもんね」
仕事終わりに誘われて、焼き鳥屋のカウンターにて酒を交わす。
白木の一枚板
江戸切子の照明
清潔感のある厨房
しかも価格は抑えてある
「いい店知ってるね」
「あ、大丈夫な所だった?」
「……大丈夫?」
うすはりグラスのビールを飲み込んで首を傾げた。
「うちの姉ちゃん店とか凄え気にすんの。
だからチェックするポイントが染み付いたと言うか、そういう店見つけると教えたりするんだ。
羽山さんもそうなんでしょ?」
「……そんな出てる?」
「んー、何となくね。
近場に同じような人間がいたから
感覚的に分かるっていうか」
「気使わせて悪いね」
「店選びなんてそんな内に入らないよ。
雰囲気良くて、うまくて、リーズナブルな店知ってると色々役に立つし、微妙な店で早く帰りたいとか思われるよりいいし」
「……君は本当に良い奴だね」
「はは」
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