第1章

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もう随分ゆっくり眠れていない 夜中に何度も目が覚める そのせいで電車に乗るのも辛くなり 高々20分程度の道のりを途中で降りてしまう 物を食べても吐いてしまう トイレで吐く行為さえ嫌悪感があり 食事をしない選択をした。 それを初見は気付いているのだろう。 会食の際はさりげなくフォローをしている。 私は申し訳無く、不自然じゃない程度に口に入れた。 みるみる体重は落ち、パンツスーツで足を隠した。 時々目の前がぐらりと揺れる。 壁に手をついてそのまま体を預ける。 「姉ちゃん、大丈夫?」 冷蔵庫に飲み物を取りに来た淳の声が背中から聞こえた。 「なんか、最近鎖骨の下あたりが痛くて」 さすりながら私が答えると首を傾げる。 「ぶつけたの?」 「ううん、そんな事ないけど」 「骨大丈夫?」 「うん、たまにぎしぎしする」 「は?それ危なくない?」 冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出した淳が眉を顰めた。
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