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「……っぅ」
まただ。
鎖骨の下あたりが痛み出す。
私はそれを押さえて扉を開けた。
「おはようございま……」
挨拶の言葉が途切れた。
ブラインドが上げられた窓から眩しい光が部屋に差し込む。
こちらに背を向けて立っているその後ろ姿に、心臓が大きな脈を一つ打つ。
「あぁ、早いね
おはよう」
初見が振り向いてそう言った。
私は固まった体と顔を無理やり動かし、自分の机へと向かった。
「髪、随分短くしたんだね」
柔らかそうな少し癖のある伸びた髪は短く切られ整えられていた。
心臓の音はまだ乱れてる。
「何?」
私の視線に気付いて初見は首を傾げる。
「いえ」
慌てて視線をはがしてパソコンの電源を入れた。
背丈が似ている
堂々とした佇まい
そして短くなった髪
羽山に見えたなんて……何でそんなこと思ったんだろう。
いるはずないってことは
この数週間で分かっているのに。
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