第1章

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「大阪支店の受注額に対して粗利益が良いのってデータ来てる?」 「はい」 「東北の協議会の日午前中2件ほど客先へ同行依頼が来てるんだけど調整できる?」 「確認します。午後までに調整いたします」 「有明のマツオロジスティックの倉庫の削減案て……」 「内容とパーセンテージはこちらの資料に」 やる事が多くて時間はあっという間に過ぎて行く 。 「木崎夕方の会議の後の情報共有という名の飲み会だけど、帰っていいよ」 「いえ、出席します」 「無理するなって、社内の人間ばっかりだし。 木崎が出たら上の連中は喜ぶだろうけど…… 疲れるし最近ずっと遅いだろ」 「私がいない方が良いのなら帰ります」 「……それは無いけど」 「では」 「……なんか気ぃはり過ぎじゃない?」 ゆったりと余裕のある表情と声で私を見つめる。 「もともと、私はこういう人間なんです」 声が尖った。 気付いたけれど視線はディスプレイに向けたまま、仕事を続ける。 初見はあきれた様に溜息をついただけだった。
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