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淳に連絡をして初見の車から降りた。
地下駐車場から乗り込んだエレベーターはぐんぐん上がって行く。
エレベーターが到着したのは最上階……。
この男のスペックはいかほどなのだろうか。
「どうぞ」
扉を開けると大理石の広い玄関。
「ここ、使って」
すんなりと案内された部屋を見て言葉を失う。
12畳程の部屋に大きなベッドと丸テーブルにはカッシーナの足の細い椅子が2脚。
壁にはテレビがあり、まるでホテルの様だった。
その奥に扉が見え、それがこの部屋に付いているお風呂とトイレだという。
マンションの一室に二つもお風呂がついてるなんて、初めてだ。
私は躊躇いながらその部屋に踏み入った。
「明日7時半に出ようと思ってる」
「わかった」
「飲み物はテレビの下の棚に冷蔵庫あるから。
抵抗なければ朝食はキッチンの冷蔵庫から好きに使って。
俺朝は食べないから」
「ありがとう」
「ん、じゃあ」
ネクタイに指をかけ、煩わしそうそれを緩める。
この部屋を後にしようとしている初見を呼び止めた。
「初見」
「ん?」
「ありがとう、本当」
「ん」
口角をきゅっと上げて初見が頷いた。
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