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最低限の荷物とスーツを持って戻ると初見が窓を開けて誰かと話していた。
それが弟だと分かって駆け寄る。
「淳」
「姉ちゃん……仕事泊まり込みなの?」
「え……」
こちらを見ている弟の後ろで初見が小さく頷いていた。
「あ、うん」
「大変だね」
「うん、まぁ」
「じゃあ、木崎行こうか」
初見に促され「ちゃんとご飯たべてね」と淳に言うと「そっちこそ」と返された。
「弟似てるね、直ぐ分かった」
「よく言われる」
「トラブルがあって数日泊まり込むって話しておいた」
「ありがとう。
私じゃ上手く言い訳できなかったから助かった」
膝の上に置いたバッグを抱えるように持って息を小さく吐いた。
「クローゼットに鍵ついてるから
大事なものはそこにいれて。
部屋の掃除は週に3回はいるから」
「分かった」
初見はそれ以上話さなくて
私も黙って窓の外を見ていた。
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