第1章

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「まるで、戦国時代だ」 「え?」 「ってエリカが言ってた」 愛瑠が黒い瞳を丸くして見上げてきた。 「なんの話?」 「親が仕事を円滑にするために 子供の結婚を操作する事」 「……あぁ、なるほど」 「愛瑠は嫌じゃないの?」 リューアルした水族館のプレオープン。 親が関わっていたから招待された。 2人で来なさいと。 「よく、分からない」 「……」 「多分人を好きになった事がないからかな。 友達が好きな人の話ではしゃいだりするの 聞いても入ってこなくて。 まるで この水槽の中にいる魚みたいに 外の話は聞こえない感じなの」 大きな水槽を見上げて言った。 「だから理央と結婚することも嫌じゃないよ」 そう、嫌じゃない。 そういう気持ちは同じだ。
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