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「……」
愛瑠は目を丸くして固まった。
「好きな人いるんでしょ?」
「……やだな。
理央には分かっちゃうんだ」
恥ずかしそうに笑う横顔を見て
気持ちが同調するように緩んだ。
「誰かと一緒にいたいと
思うことが
楽しくて、苦しいなんて
初めて知った」
呟いたその言葉が胸の奥にちくりと刺さるのは
同意出来ると思っているからだろうか。
「仕事関係の人?」
「うん、考古学者なの」
「そっか。
文化財だと彼らは重要な役割を担うからね」
「うん。
この間もね17世紀に建てられたと思われたんだけど半分は
もっと前に建てられたものだったの」
「へぇ、凄いね」
「楽しいよ、そういう事があるから」
愛瑠が輝いて見えるのは
恋をしているからだけじゃないらしい。
愛瑠の手掛けた建物の写真を何枚か見せて貰った。
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