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愛瑠が日本に戻らない事を知り
父の機嫌はあまり良くなかった。
「向こうに恋人でもいるのか?」
眉間に軽く皺を寄せた父親が視線を向けてくる。
「……いや、それはないんじゃないですか?
仕事が楽しいみたいだし、写真見せて貰ったけど凄く素敵なものでしたよ」
声に表情が出ないよう、気をつけた。
「……」
納得はしてなさそうだけど、それ以上何も言わなかったから小さく息を吐き出した。
期限を伸ばしたところで状況は変わらない事は分かっている。
でも、少しでも長く今の状況を続けたい。
まだ、家には戻りたくない。
そうは言っても父の一言で全て動いてしまう。
だから知られたくない。
愛瑠が進もうとしていることも
先輩のことも。
知られたら最後、どうなるかはわかる。
そして周囲に迷惑がかかる。
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