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「武(たける)くん、歓迎会終わって、今アパートに戻ってるところだよ。」
歓迎会の帰り道、電車の中で皆川武にメールを入れた。
武と付き合いはじめて4ヶ月。ふたりのルールみたいなものが出来てきて、彼氏彼女が板についてきた。
「そっか。時間も遅いから気を付けて帰ってね。心配だからアパートに着いたらまた連絡ちょうだい。」
武からすぐに返信がきた。
「うん、わかった。心配してくれてありがとうね。またね。」
自分で言うのもなんだが、彼には溺愛されていると思う。
彼いわく、一目惚れだったらしく、当時私に彼氏がいないと知って、今を逃したらチャンスはないと思い猛アプローチをかけたらしい。
私も当時好きな人はいなかったし、彼に悪い印象はなかったから、何回かデートしたあと付き合うことになった。
一目惚れと言われたとき、私は「??」となった。私のどこに?というかんじ。女友達に時々リエはかわいいよねなんて言われることはあったけれど、そんなの女同士の社交辞令だし。
そうこうしているうちにアパートが見えてきた。
最寄り駅から徒歩10分ほどのところにあるアパートは、新しくはないけれど、キッチンや間取が気に入っている。
「お家に着いたよ。ただいま。」
再び武にメールを入れた。
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