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新規事業では、観光施設を建設し、施設完成後は観光サービスを行っている様々な団体と連携しながら運営をしていくことになっている。
施設の建設に当たっては、うちの社長が大手Aカンパニーと繋がりがあったことから、経費の30%程度は資金提供をしてもらえることが決まっている。
他企業からの資金提供があるということから、上の方針で事業は走り出したが、経理担当者との調整はまだ詰めきれていない段階だった。
そこで、企画部の上司と小野田から、事業概要と予算の確定額、支出の時期などについて経理担当に説明をし、了解を得るように指示があったのだ。
企画部に異動して間もないのになかなか責任重大な仕事を任されてしまった。
総務のフロアに入ると、緊張で手が汗ばんで来るのがわかる。
私は、小野田から預けられた資料を手に、出来るだけ丁寧に説明をはじめた。
近頃ずっと八つ当たりしてくる彼を思い出すと腹が立つが、今は彼の作ったこの資料だけが頼りだ。
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