出逢い

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「なるほど。建設費用の積算にも問題はなさそうだし、施設完成後の運営についても関係団体と連携がとれていますね。このまま進めて問題ないですね。」 経理担当者からは意外にもすんなり理解が得られた。 「事業の大まかなところは今日の説明でわかったので、私から上司に伝えておきます。この内容なら間違いなく了解を得られるはずです。」 「よかった…。ありがとうございます。」 小野田や企画部の同僚にはさっそくいい報告ができそうだ。 「神山さんの説明が分かりやすかったのもあるし、資料がとてもいいですね。こちらが知りたい情報がきちんと書いてありますし、見やすいですしね。」 「あ、それは私が作った訳ではないんです。同じ部署の小野田さんが作ってくれて。」 「そっか、小野田くんは今は企画部でしたね。私も彼と何年か一緒に仕事をしたことがありますよ。彼、仕事は出来るけど性格きついでしょ?」 彼はニヤリと笑って言った。 「えっと…確かに結構きびしいですけど、仕事では学ぶことが多くてとても勉強になります。」 さっきまで小野田に腹をたてていたのが見透かされた気がして、私は少し気まずい。 経理担当者への説明を終えて企画部へ戻ると、総務から予算関係の了解を得られたことをさっそく小野田に伝えた。 「了解、ありがとう。お疲れさま。」 「いえ、確認まで時間がかかって申し訳ありませんでした。」 それだけ話すと、私達はまたそれぞれの仕事に戻った。
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