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「えーっと、4月から企画部でお世話になることになりました。神山と申します。初めての仕事で分からないことも多いですが、早く覚えたいと思いますのでよろしくお願いします。」
企画部への異動当日、気分は最高にブルーだったが、つとめて笑顔で挨拶をした。
こういうときは第一印象が大切だ。
企画部は少人数だけど、会社の中では比較的忙しい部署と言われている。
しかも、私の前任の職員は、誰に聞いてもあの人は素晴らしいと言われるような、いわゆる「できる人」。
かたや私はこの仕事は初めて。会社はなぜこんな人事をしたのか私には全く分からない。
迷惑をかけないようにしないと!
気を引きしめて席についたら、後ろから突然声をかけられた。
「神山さん、俺、小野田って言います。係は違うけどよろしくね。」
「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします。」
「異動したばかりってなんだか居心地が悪いでしょ?でも大丈夫だよ。みんな神山さんを歓迎してるし、そのうち自分の居場所だって思えるようになるからさ。」
「ありがとうございます。」
「あっ、忘れてた!はいこれどうぞ。」
小野田が机から一通の青い封筒を取り出して、私に渡した。
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