第1章

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強引に押しつけられ、僕はイヤイヤ、原稿用紙に目を通す。 「先輩」「あんた」「少年」 と同時に僕は呼び止められる。ハァとため息をつきながら振り返ろうとすると、先輩と呼んだ女の子が僕の腕にしがみついてニコニコと微笑んでいる。彼女は年下の後輩の女の子で、甘えん坊なところがあり何かにつけて抱きつこうとしてくる癖があり、少し困る。ほんのりと温かい体温を肌に感じながら対処に困っていると、ドンッと尻を思いっきり蹴られた。 「いってー、なにするんだよっ!!」 「あんた、いつまで抱きつかれてるのよ。嫌な嫌って言わないから、そいつが甘えるんでしょ!!」 俺を蹴り飛ばしたのは、同級生の女の子で、口調が荒くて喧嘩っぱやい犬のような女だ。 「だからって蹴ることねーだろ。暴力女、お前は昔っから乱暴なんだよ」 「そうですよねー、先輩、あんな暴力女なんて迷惑なだけですよ。先輩、一緒にご飯、食べましょう。私、お腹すきました」 「なっ!? ちょっ!! なんで抜け駆けしようとしてるのよ!!」 「と、言いつつ彼女は背後に二人分のお弁当を隠すのであった。はて、誰のぶんかな?」 と言いつつ、一歩、引いて歩いてくるのは年上の先輩で雰囲気や喋り方がお姉さんっぽくて、僕のことを少年と呼びいつまでも子供扱いしてくる。 「かっ、勝手に見るなっ!! ていうか、これ私のぶんだし、二人前、食べるのよっ!!」 「ハハハ、成長期なのだな、だが、いくら食べても育つところは育ってないみたいだが?」 「嫌ですね。大食漢な女ってがっついているみたいでみっともないです。ま、あそこはいくら食べてもぺちゃんこですけど」 「ぺっ、ぺちゃんこ言うなし!! あんたこそ、昔っからぺちゃんこでしょうが!!」 「私はいいんです。年下なので将来性があるし、今の自分に満足してるんです。高望みをしても悲しいだけですしね。先輩も小さいほうが好きだと言ってましたし」 「ほぅ? 少年は小さいほうが好きなのか、じゃあ。お姉さんはかなりボリュームがあるな、こっちは嫌いかな?」  とがら空きな片方の腕に抱きついてくる。ムニュゥと柔らかい二つのメロンが俺の腕を圧迫し、後ろから同級生に蹴り飛ばされた。 「ラブコメ?」 甘ったるいラブコメ物語にクラクラしながら聞く。 「はい、ついでに言うと全員、幼なじみですよ。後輩、同級生、年上と揃えてみました」
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