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揃えてみましたって言われてもな、この男には殺意しか感じないんだけれどな。なにこいつ、殺したいとしか思わない。まだ、続きがあるようだが、甘ったるくて読めたもんじゃないな
「もう一つ、全員、彼に好意を寄せています。よかったですね。幼なじみに三人に好意をもたれるなんて天国じゃないですか」
天国というか、一歩、間違えば地獄になりかねないんだよな。怖い、怖い。修羅場、怖い。饅頭怖いみたいな?
「さらにもう一押し、この人達の社会人になったあとも書かれています」
「ええ、いいよ。もう胸焼けしそう」
「ダメです。先輩が言ったんですから、最後まで付き合ってください、どうぞ」
「うーむ」
僕は唸りつつ、受け取った。
高校生時代を思い出すと、どうしてあのとき全員、嫁にするなんて馬鹿なことを口走ったのだろう。誰も悲しませたくない、僕、頑張って稼ぐからお前達、全員、僕の嫁なんて言ってしまった自分が憎い。
「先輩、おかえりなさい。お掃除と家事と食事の準備、お願いします」
「あの、ぼく」
後輩だった女の子がニコニコと有無を言わせない笑顔で用事を押し付けてくる。
「ちょっとあんた、こんな時間までなにしてたのよ。仕事が終わったらすぐに帰ってくるって約束でしょ。ほんとにあんたは役立たず何だから。あー疲れた」
高校生時代から急激な成長をとげた同級生が重たい身体をその場におろして、立たせろとこちらに手を伸ばしてくる。汗の臭いがきつい。こいつ、また、風呂に入ってないんだな。身体が動かせないからって怠惰になっていく。
「おかえり、少年、ところで相談なんだけれどね。今度、友達と旅行に行くことになったんだ。そのために新しい服を買いたいんだが、お金が足りないんだ。貸してくれないかな?」
「この前、貸したばかりじゃないか。もう使ってしまったのかよ」
年上のお姉さんは、持ち前の社交性を磨き上げてセレブな女性になったが、浪費癖がひどい。
「「「パパーーー、遊んでーーー」」」
加えて、育ち盛りな、ガキが三人、ガヤガヤと走ってやってくる。僕の子供達だ。子供は無条件に可愛いと言うけれど、三人もいるとうっとうしいだけだ。
働いても、帰っても、稼いでも、僕の手元には何一つとして残らない。もう嫌だ。こんなの地獄だ。
「悲惨っ!! なにこれ、ハーレムっぽいのに最悪じゃん、こいつ、死ぬんじゃないの?」
死ねばいいと
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