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「つまりなんだ、ここでは取り次ぎは出来ないということか?」
晴明が訝しむ。
「いや、そういうはけでは無くて、形式ってのかな?」
「そうですよ京極さんが現場主任、で、私が魔術協会からの監視役ってとこですね」
「話をきけば美咲が最終的な主人の様な物言いだが?」
そこまで言って、二人は互いに頭を悩ます。
「じゃあ僕は協会の方に連絡して来るから説明お願い」
結果、個々の役割が決まったので私は大きく嘆息して、向きなおす。
「話すと長くなるんですけどね……」
それから私は最近の自分の身の上を話した。具体的には、特に私の家に神様が住み着いてしまって、幸か不幸かその神様がやたら偉ーい神様であったので私の地位が相対的に上がってしまったということである。
例にとれば、創業者の遺言で入ってきた新入社員。
以来、『それなりの地位の人が来ないといけない、でもしょうもなさそう』というお飾り役こみなイベントに私は引っ張りだこなのです。
晴明は物珍しそうに聞いていたが、特にその神様の話はとても興味を示したよう。
と、ちょうどそこへ連絡の終えた京極さんが登場。
「じゃあ話はまとまった、取り敢えずあんたはどうすんだい晴明さん?取り次ぎの者が来るまでの数時間、別にここにいたければいていいけど?」
「いやいや、折角だが遠慮しよう。ちょうど良い頃合いなので試したいことがある。京極と言ったか……、お前もくるか」
「いえ、遠慮しますよ。第一僕は彼女よりも魔導には通じていないんだ。それに、ここで待つのも上司の役割だしね」
京極は肩をすくめて見せる。
晴明はニタリと唇を歪め、「ならば」と呟くと、さもついて来るのが当たり前とでも言うかのように私を呼び付けたのです。
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