第1章

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私は藪笹神社の巫女である。 ここ最近は、祖母の権威と欲しくもなかった功績で実績は無いのに魔術界での地位が上がっていき……結果、『導師』という何処へ行かせても恥ずかしくない上っ面を手に入れて浮かれていたのですが、 そもそも私がこの仕事を受けることが判ったのはほんの数週間前のことでした。 「美咲、また本部から手紙のようだぞ?」 そういって畳の上で横になり、漫画を読みながら告げた女性はわが神社の居候――アマテラスさん。 彼女はその名もしれた日本国の最高神である。 彼女は神としてよく民を支え、また自らも神事を行う巫女としての側面を持ったキャリアウーマンであるったと……しかし彼女は笑いながら「やめてよー、そんなむかしのはなしー」と布団に潜り込む。 つまり、ざっくばらんに今のステータスを述べると彼女は神々しい引きこもりでです。 「前回は某の局長の相手をしてくれって、大変だったんですよー!「君、いくつ?」とか聞きながら私をジロジロ見てきたんですよー。あの方って悪く言うと変態?」 私は悩ましげに身をくねらせます。何の因果か私は年をとったふくよかなオジ様の接待をさせられる事が多くなっているのです。 理由は簡単でした。通常、然るべき社会的地位を持ち合わせた人はそれなりの齢を重ねます。勿論、会合というものは互の地位を同じ位に調整しなければ行けないというもの。出来上がったのは、オジ様、オバ様達のシニアパーティーでした。 しかし、そこに私というイレギュラーが現れたのです。 うら若き乙女である私が枯れ木達の中に放り込まれるのは必然だったのです。
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