~冬のエピローグ~

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夕紀「くちゅんっ!」 私は塾の授業中にくしゃみをしてしまった 先生「大丈夫?風邪?」 夕紀「いえ……違うと思います…… ………///////」 私はくしゃみをしてしまった自分が少し恥ずかしくて 左手で左頬を掻いた そう言えば……こんな時でも 振り返ってしまう彼との思い出 くしゃみやこんな照れた時の仕草まで 私たちは似ていたよね 付き合った当初は嫌われまいと必死だった 臆病だった愛も 塾が終わり、家に帰った 部屋に戻った私の目に止まったのは 本棚にあった1つの本だった 夕紀「これ………」 これは読書が好きだった彼に貰った本であり、使っていた栞はその本に付いてきた物だった 別れてから………あの冬の日から読まなくなった本でもあった 夕紀「もう……本も栞もいらないよね」 私はそう呟いたが……… 本も読みかけのページにあった真っ白な栞も元の位置に戻した 本も栞も 捨てたら もう会えない気がして
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