第1章

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「はよ。」 顔を洗ってキッチンの方に行くと母さんと妹の幸(さち) がいた。 母さんは、おれとゆずを見るとあれって顔をしながら言った。 「あら、昨日はゆずちゃん家に泊まるって言ってなかった?」 「ゆずがダメってゆーから泊まんなかった。」 わざと何でもないって感じで言ってやった。でも母さんにはちゃんと気付かれてると思う。 幸は鈍いからわかってないんだろうけどね。 すると母さんはゆずに話しかけた。 「朝ごはん、食べてくでしょ。ゆずちゃん♪」 「……は、はい」 母さんは、質問に見せかけた、有無を言わせない目で、一緒に食べることを決定した。
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