~ぷろろーぐ~

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がやがやと活気の溢れる校内、今日最後の授業が終わり下駄箱へむかう愛くるしい、天使のような見た目の少年がいた。 その後ろ姿を見つけてしまった男共の1人が呟いた。 「お、あれって、ウワサのカワイ子ちゃんじゃね?」 ――…まただ。いらいらする。 「まじだ!!おわ~! かぁわい~!後ろ姿だけど!!w お~い!!カワイ子ちゃあ~ん!! こっちむいてぇ~!」 ……誰か振り向くかってんだ。 「ぅおぉい!!何しちゃってんの!!おバカさんなのか!お前は!!」 「え!?何なに!? なんかダメだった!?」 …もう知らん。ちゃんと我慢したからな!あいつが来ないうちに言ってやろう。 高校生男子の平均身長より少し…いや、だいぶ低め。儚さを感じさせる雰囲気さえも見た目にぴったりなのだ。 ――――…そう、 「なぁって!! カワイ子ちゃあ~ん!!」 「おい!やめっ…」 「うるせんだよ!!ハゲが!! 気安くはなしかけんな!!カワイイとかいうな!!手ぇふってくんな!!クソが!!」 あくまでも、『見た目』のハナシなのだが。 ふんっ。いってやった! いい気味だ!人がいっぱいいんのにカ、カワイイとかいってんなっての!
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