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エイルは私を自分の車の助手席に座らせて、鼻歌を歌いながらエンジンをかけた。 「紡、二人きりになれたね」 「...」 「なんだよぉ。もっと喜ばないの?」 「突然すぎる。」 「留守電入れたのに聞かないのが悪い」 「私はてっきりジュリアと仲良くしてるんだと思ってたけど?」 「ジュリアは友達だって言ってるじゃん!それに俺には紡がいるって話してるもん」 「あ、そうなんだ...」 彼女がいるって、言ってくれてるんだ。 なんかそれだけでちょっと嬉しくて口元が緩みそうなのを手で隠してふっと息を吐き出した。 「なににやついてんの?」 「にやついてなんかないよ」 学校に着くまで、私たちはこんな会話ばかりで。 でも、時々エイルが私の髪や手に優しく触れるから、胸がきゅって苦しくなる。
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