第11章

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男はずっと俺のことは気にならないとでも言うように酒を飲んでいた。 真紀は緊張した様子で拳をきつく握りしめたままだ。 男は真紀の手に自分の手を重ね何事か真紀と目で合図をしているようだ。 「こいつ、俺のなんで。」 真紀の腕を掴んで引き寄せ威嚇していた。 「真紀はそんなこと思ってないと思うけど、その根拠は?」 思っていないのは知っている。 でも、こいつには負けたくない。 (根拠なんてない。俺が思っているだけ。) 結局何も返せなかった。
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