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次の日、朝になっても真紀は帰って来なかった。
一睡もしていないのに眠気はなかった。
ただひたすら真紀の帰りを待つばかりだ。
真紀が帰って来たのは夜になってからだった。
手に旅行バッグを携えた真紀を一瞥し、嫉妬している滑稽な自分の感情に舌打ちした。
真紀が風呂に行ってる間、憎悪に近い感情を制御しようとしたが静まることはなかった。
寝室に向かった真紀を怒りで滅茶苦茶にしてやりたかった。
「気分じゃないの。ごめんね。」
初めて真紀に本気で拒否された。
怒りは哀しみに変わった。
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