プロローグ【昼間の母は女】

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あの日から、私の中で『母親』は『女』になり、日中に相手を自宅に連れこみ浮気をする『昼顔妻』と呼ばれる人種だったと知った。 嫌悪感で一杯。吐き気がする。 顔も見たくない。お母さんって呼びたくない。 だから私は4時を過ぎるまで帰宅はしない。 もう母親の交わりなんか見たくない。 私の家に連れ込まれた男性に共通するのは『若さ』。 年頃の娘がいるのに、母親は好き放題に過ごしていた。 そして中学3年の春、家庭教師をつけられた。 その人は有名大学の2年生。 黒縁メガネが似合う、優しい先生だった。
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