第二章 成人の儀式

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 長老は再び法螺貝を口に当てた。人々は物悲しげに、離れていく小船を見送った。漕ぎ手はゆっくり、大きく竿を漕いだ。小船は法螺貝の独奏に押されるように、だんだんと小さくなっていった。やがてその姿が見えなくなるころ、一人、また一人と、島民たちは砂浜を後にした。
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