第一章 弘美と智美

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 不意に、玄関のドアがノックされた。  いや、何かがぶつかってきた、と言っていい。  智美は時計を見た。誰だろう、こんな時間に?  不審に思っていると、ドアノブがガチャガチャと音を立てだした。智美は緊張しながら起き上がると、そばに置いてあった護身用のバットを手にしてゆっくりと玄関に近付いていった。覗き窓からそっと外を見ようとすると、声が聞こえてきた。
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