第一章 弘美と智美

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「ごめんねー、こんな時間に。寝てた?」  謝っているが、反省している様子はない。智美は冷蔵庫から冷えた水を取り出し、グラスに注いで弘美に差し出した。 「またフラれたの?」  いつもそうだ。フラれる度に、深酒をしては部屋を間違える。前回は深夜二時だったから、今回はまだマシなほうだ。
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