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「抱かれたいけど、貴弘のことも抱きたい。…だから両方しよう」
彼も甘えたいのだろう。声にその意味がたっぷり含まれている。
「わかった」
俺たちは手を繋いでいつもの通りベッドルームへと歩いていった、途中、長谷川さんが不安げに俺のことを見上げたので、俺は、大丈夫だよ。と言う変わりに唇を啄ばむようなキスを彼に贈った。
I know I know
俺はもう大丈夫。長谷川さんの愛を疑ったりしない。
何があってもこの愛を守っていくだけだ。
「ちょっと不安なのは」
「なんだよ」
「長谷川さん…体格のわりに大きいんだよなぁ」
「ばっ。バカ! ムードが大事だってオマエが言ったんだぞっ」
「ははっ。ごめんごめん。俺、処女だからさ」
そんな他愛のない言葉を交わしながら、俺は寝室のドアを閉めた。
おわり
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