第1章

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「抱かれたいけど、貴弘のことも抱きたい。…だから両方しよう」 彼も甘えたいのだろう。声にその意味がたっぷり含まれている。 「わかった」 俺たちは手を繋いでいつもの通りベッドルームへと歩いていった、途中、長谷川さんが不安げに俺のことを見上げたので、俺は、大丈夫だよ。と言う変わりに唇を啄ばむようなキスを彼に贈った。 I know I know  俺はもう大丈夫。長谷川さんの愛を疑ったりしない。 何があってもこの愛を守っていくだけだ。 「ちょっと不安なのは」 「なんだよ」 「長谷川さん…体格のわりに大きいんだよなぁ」 「ばっ。バカ! ムードが大事だってオマエが言ったんだぞっ」 「ははっ。ごめんごめん。俺、処女だからさ」 そんな他愛のない言葉を交わしながら、俺は寝室のドアを閉めた。 おわり
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