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 十月も残り少なくなってきたというのに、日本列島は暑すぎた。気象庁の予報官は、神に捧げる祈りのように連日異常気象を唱え、農家では作物に深刻な影響が出始めていた。遊び盛りの子どもをもつ家庭でも、昼間は安心して外で遊ばせられないため、公園などはむしろ役所の鐘が鳴ってからのほうが活気があった。
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