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 冷たく光るその目は、焦点がしっかり合っているようだったが、何を見つめているかは判らなかった。コートのポケットに突っ込まれた両手は時折モゾモゾと動き、ポケットの中の何かを操っているようだった。唇を囲むように伸びた鬚は頬の部分を満たし、揉み上げまで繋がっている。
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