第1章

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ピロリンピロリンとファミレスの 来客を示す音がなった。 なんとなく目を向けてみると 小学生くらいの女の子と スーツを着た、いかにも仕事が 出来るといった風貌の女性が 入って来るところだった。 親子には見えないな。 似てないし。 何より親子特有の空気感が 無いように思えたからだ。 ふと、少女と目があった。 何処までも黒く澄んだ、 まるで俺のことを見透かしたような 少女とは思えない目だ。 軽く愛想笑いをしてみるが、 少女は無表情のままだ。 不思議な女の子だな。俺は素直に そう思っていた。 そしてキャリアウーマン(仮)も こっちを向いて少し高そうな メガネをくいっと上げたところで 漸く我にかえった俺は すっと目を反らした。 逆に不審者みたいだなーなんて 軽く考えながら。
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