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『腹減ったか?』
オミさんの手の中でもがいているチビに声をかけると、オミさんが俺にチビを渡してくれた。
俺はそのままチビを連れて居間に戻るとソファーに座ってミルクを飲ませた。
ミルクの匂いをかぎつけてるチビはおとなしくしてなんていられないみたいで、俺のスウェットに爪をひっかけてよじのぼってくる。
『うわ、すごいね』
チビの勢いにオミさんが驚いたような声をあげた。
『元気いいんすよ』
って笑いながら哺乳瓶の吸い口に手を添えているチビを見つめる。
『がんちゃん、立派なイクメンじゃん』
『だってこいつには俺しかいないから…』
ちゅっちゅっと音をさせて必死にミルクを吸うチビ。この姿を初めて見た時思ったんだ。
こいつは今、必死で生きようとしてるんだって。
自分勝手な人間がこいつに命を与えて、そして簡単に捨ててしまった。
小さくても命は尊いものなのに…
手助けしてやりたいなんて俺のエゴかもしれないけど、寒さに震えてるチビをほっとくことなんてできなかった。
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