第1章

6/14
前へ
/53ページ
次へ
『ねぇ、がんちゃん…』 俺の隣に座ったオミさんが服の袖を引っ張る。 『ちょっ、なんすかオミさん!』 『何が?』 オミさんが目を丸くして俺に問いかけるけど… 『袖を引っ張って甘えた口調とか…乙女じゃないっすか!』 『甘えてねーよ!』 俺が笑いながら言うとオミさんは声を荒げる。ちょっとだけ顔を赤くさせたオミさんは俺の手元に目を向けて 『俺もミルク、やりたい…』 ああ、そう言うこと?あー、びっくりした。オミさん時々女子力たかっ!て思う仕草するから焦るんだよな。 なんて、こんなこと言ったらめっちゃ怒られそうだけど… 哺乳瓶を離さないチビごとオミさんの膝の上に乗っけると、オミさんはチビの体を支えながら哺乳瓶を持っている。 『うわぁ、飲んでる飲んでる』 オミさん…めちゃにこやか。目尻下がってんじゃん。なんてニヤニヤしながらオミさんを見てたら、ふとオミさんが顔を上げた。 『なに?』 『オミさん、目尻下がってますよ』 笑いながらそう言うと、オミさんは今の俺よりもニヤニヤしたような顔をする。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加