おっぱいディベートと愛天使

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  「ずいぶん平凡じゃない名前が来たわね……」 夕姫が唸りながら頷く。 確かに平凡ではない。そのおかげでこの子は、だいぶつらい思いをしていたんだ。 「あまりそのようなことを言うべきではないのですが、私はそこそこの名家の生まれでして……それで、そのう、お母様がだいぶ世間知らずで……。可愛いという理由だけで、私にこのような頓狂な名前を付けたのですわ。それが原因で、昔はいじめられてましたの」 「子供のころは、人と違うだけで嫌がらせの対象になり得るからな」 涼子がしきりにうなずく。 涼子もおっぱいが大きくなりすぎて子供のころに悩んんだクチだからな。 「それを助けてくれたのが白井陽介様なのです。あの時は私、感動してしまいましたわ」 「未来のおっぱいを守るのはおっぱりすとの義務だからな。手の届くところにあるおっぱいは全力で守るのが俺の流儀だ」 「ヨースケ! かっこいいね!」 「ただのおっぱい馬鹿じゃない」 クランの賞賛の夕姫のあきれ声が同時に届く。 いいさ、万人に認められるものでないことはわかっているさ。 「あの時、私……言いましたわよね。私と陽介様が結婚したら『白井愛天使』になって、白い天使の名を冠することになると。荘厳さが増すと。それを聞いて陽介様も、頷いてくれました」 確かに、そんなやり取りもあったな。 「あの瞬間を、私は忘れたことがありません。陽介様、今こそ二人結ばれ、天使となりましょう!」 「ま、待つですゆ! 私も陽介しゃんが結婚したら白井風と華になりますゆ! これは天使に負けないくらい可憐ですっ!」 「わ、私は白く涼しい感じになるぞ! これもこれで素敵じゃないか!」 「私は白いクランになるね! なんかネトゲぽくて最高よ!」 おおう! 女性陣がわけのわからない張り合いを始めたぞ! 「天使も含めて、みんな無理がありすぎじゃない?」 「夕姫氏は白い夕日になりますな」 「白いのか赤いのか!!」 「黙れ細メガネに太メガネ! 私は白井君と結婚する気なんかないからいいのよ。画材として飼いたいのは本当だけど」 いやいや、夕姫さん!  それ一番怖いですから!
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