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「はい」
俺の言葉に挙手をしたのは、なんと夕姫だった。
いつもはやる気なさそうにしているのに珍しいな!
ようやく夕姫もおっぱいの素晴らしさをわかってくれたのか!
「おお、夕姫! 珍しいじゃないか! よし、発言を許可する!」
「帰っていい?」
「いきなり議論放棄!?」
やっぱりわかってなかったよ母さん!
「はい!」
次に手を挙げたのは太田!
「よし、太田! 発言を許可する!」
「はい。おっぱいを頭につけてお団子のようにした可愛らしいキャラなどどうでしょう!」
「異議あり!! おっぱいとは胸部についているからこそのもの! 頭につけるなど言語道断! そんな邪道は認めるわけにはいかん!」
太田の提案に異議を申し立てたのは細井。
これは白熱してきたぜ!
「ふん、吠えるな吠えるな。夢を忘れた古い地球人よ。おっぱいとはどこについていてもおっぱいだ! 凝り固まった考えに支配された男とは論を交わす価値すらないな」
「なんでもありを改革と言って持て囃す風潮は理解しがたいな。温故知新という言葉があるだろう。古きおっぱいを大切にすることで、新たなおっぱいの魅力にも気づけるというもの」
細井と太田が火花を散らして議論する。
そこに割って入ったのは、龍崎だった。
「まあまあ、論点がずれているぞ。今回のテーマはゆるキャラだろ? 一度原点に戻って、ゆるキャラとは何なのかを考えてみよう」
そういって、龍崎がゆるキャラの魅力を指折り数え始める。
「まずは、日々を頑張る人間にユルさを提供する癒し。見ていて元気いっぱいになれる愛らしさ。そして、個性。それを総合すると、一つの結論に達した」
「その結論とは?」
太田の問いに、龍崎が誇らしげに言い放った。
「おっぱいとは、それ自体がゆるキャラなんだよ」
部室内を大きな拍手が満たした。
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