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「最近になって、やっと人を信じてもいいかなって思えてきてね。あっ、おじさんの事は、あの時から信じていたよ」
「別に、俺の事なんざ信じなくていいやな」
酒出は、そう言って残った生ビールを飲み干した。
真理亜は、「カールズバーで大ジョッキは、おじさんだけだよ」と呟く。
二人の間で何があったのか、その詳細を今この場で語るつもりは無いようだ。ただ、数年前に何かしらの事件が、二人を結び付けた事は間違いなさそうである。
酒出は、バーボンのボトルを入れ、それをロックで飲めるよう注文した。
真理亜は、それもオーナー風の中年女性にオーダーする。
これが【Gー3】の形で。真理亜が仕事において、特別手抜きをしている訳では無いようだ。
「それで、その友達がどうした?」
「その娘のお父さんが、いなくなっちゃったんだって」
「いなくなった。つまり、失踪したって事だな」
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