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「詳しい事は、本人から聞いてみてよ」
真理亜は最初から、説明するつもりなど無かったようだ。店の奥へと視線を移し、真理亜は一人の女性に手招きする。
真理亜は、年より少々年齢が上に見える。だが手招きした相手は、未成年では無いだろうが。真理亜より、五歳以上は若く見えた。
そして水商売とは、似つかわしくない容姿をしている。
あどけなさと可憐さは、どこかアイドルグループのメンバーにいそうな印象である。酒出は知り合いの、ご当地アイドルのメンバーを思い浮かべていた。
真理亜に呼ばれた彼女は、酒出の元へとやって来て小さく頭を下げた。
名札には、「ミユ」とある。
益子 美結 二十歳。
美結は、真理亜と同様に自分も本名で店に出ているとし、そこから自己紹介を始めた。
それを聞きながら酒出は思う。
父親の失踪。そうした話しは、世の中にごまんとあるものである
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