第一章 失踪者

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   そこまで話すと、美結は口を閉ざして酒出を見つめる。  自分が感じた不自然さ、違和感がどのように伝わったのか。伝わらないとしたら、酒出はどのように判断したのか。  その答えを、見つめながら待った。  美結の言う通り、確かに変な話しである。  失踪の状況もそうならば、会社側の対応にも大いに疑問が残る。  酒出の頭は、そこまでの情報を整理しつつ。推理を廻らせ、高速回転していく。  そして、バーボンのグラスを手に取った。      
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