第一章 失踪者

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   これも、以前からあった動きではある。だが、わざわざ千葉北署管内まで来て、犯罪行為を行う者が出てきたのだ。  それが、週刊誌の発売後に増加。  ただしそれらも、千葉北署は解決しているのである。  お陰で、同署の検挙率は上昇するばかり。これが良いのか悪いのかは、判断に困るところであろう。  しかし、同署の刑事課の係長はボヤいていた。 「検挙率が上がるのは構わないが、それを素直に喜べんな」 「喜ぶとしたら、犯罪の発生自体が減った時ですよね」  それに応じたのは、彼の相棒である矢次刑事であった。  北方 政二 刑事課係長。  矢次 蓮一郎 巡査部長。  二人を指して、千葉北署の「ヤジキタ」と称する。千葉北署のヤジキタといえば、同署のエースコンビと呼び声が高い。  管内で発生が増加している事件は、この二人が中心となり解決しているのである。  故に、エースコンビなのだ。
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