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「それが、どうだって言うんだ」
「会った事もない犯罪者を、奥の手って言ってる時点で。不確定要素が、多過ぎると言ってるんだ」
「知り合いだろうが、赤の他人だろうが。善人だろうが悪人だろうが、利用できるものは利用させてもらう」
「どんな論理だよ。説得力無いぞ」
「別に、説得するつもりなんか無い。そもそも俺たち三人とも、この計画に拒否権なんて無いんだからな」
「それにしたってさ……」
「じゃあ聞くが、お前はあの人を見捨てるつもりなのか」
背の高い男は、「あの人」と聞き身を強張らせる。
彼らの犯罪行為に至る理由は、その「あの人」を救うというもののようだ。大前提として、それがあるのだから二人の心は揺るがないのだろう。
後は、背の高い男が腹をくくるだけ。
二人は、急かす訳でも強引に決意させる訳でもなく、彼の心が固まるのを待った。
これ以上、かける言葉が無いのか。
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