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千葉市花見川区内の小さな商店街。
全国に名を轟かせる有名商店街と違い、その規模も店舗数も比較にならない。それでもひと昔前は、その三倍の店舗が存在したであろう事は予測が出来る。
シャッターを下ろした店舗も存在するが、そうした建物を取り壊し一般住居に建て替えたものまで存在する。
十月も中旬を迎えたその日。
大型量販店や全国展開するチェーン店の繁栄と、個人商店の衰退の図式。
そうした世の流れを嘆いているのかは不明だが、一人の男がその商店街を軽い千鳥足で闊歩する。
酒出 太志 四十三歳。
千葉県系捜査一課の警部補。
そうした彼の肩書きと、県警一の検挙率を誇る実績。それが、彼を語る上での一面である。
あくまでも、一面であって全てでは無い。
彼の足が向かう先には、商店街の中でも飲食店が集まっていたであろう区画。
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