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「まぁ、気長に待つしかねぇけどな」
「ですが、警部補。この事件が終わってしまえば、私たちはまた和泉を追う事が出来なくなります」
「別に、表向きに捜査する事もねぇさ。常日頃から、奴について気にかけてりゃいい」
「はぁ……」
「それに何かありゃ、俺が声をかけてやる。その時には、手伝ってくれるよな?」
「はい、勿論です」
松本は、その返事だけ声を張った。それにより、注目を浴びるハメになった。しかし彼女は、気にする事なく笑顔を浮かべている。
やはり彼女の気持ちは、酒出に対し特別であるのだ。
そしてそれは、和泉に対しても。
気持ちの方向性は違っても、千葉北署の刑事課の人間にとって和泉は特別なのだ。それは、酒口であっても。
その酒口は、未だ起きてくる気配が無い。
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