第十三章 大企業の末路

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   報道を見る限りでは、警視庁により唐橋物産に一斉捜査を行い。社長の唐津以下、幹部クラスを昨夜に連行したとしている。  千葉県警の協力は、申し訳程度に報じられただけ。  本田によると、今回の手柄は警視庁の尾道が全て持って行ったとか。問題なのは、失踪事件がらみの手柄も、尾道が持って行ったという事。それを和泉に話した本田の声色は、微かに弾んで聞こえたという。  本田はどうあっても、自分が可愛いのであろう。 「あの人の事ですから、手柄を尾道とかいう管理官に譲ったのでしょうね」 「まったく、欲の無い男ね」 「だからこそ、下の者から信頼が厚いのでしょうがね」  和泉としては、一日でも早く柿崎に県警のトップとなって欲しいと思っている。そしていずれは、警察のトップになって欲しいと。自分は、警察に追われる身であるのに、おかしな話しである。  ミレイは、そんな和泉に何も言わず共有スペースへ。
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