第十三章 大企業の末路

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             4    月が開けた十一月の初日。  酒出は、酒口と松本を連れガールズバー【Gー3】へと顔を出した。事前に連絡していた事もあり、店には益子 拓三も来店していた。  益子と美結は、しきりに三人に対し頭を下げ。その対応に困る程であった。 「だから。オジサンに頼んでおけば、大丈夫だって言ったでしょ」  そもそもの発端である、捜索依頼をしてきた高嶋 真理亜は。さも、自分が解決したかのような口振りで、酒出を褒め称えた。  酒出としては、「お前が偉そうに言うな」とツッコミを入れるところ。しかしながら、未来の美人から手放しで褒められ気分が悪い筈もない。  軽く照れたような顔で、大ジョッキの生ビールを煽っている。  事件解決から、まだ三日と過ぎていない今日の段階。益子のように、以前に近い生活に戻れている者は少ない。  監禁されていたショックで、精神疾患を患った者や。
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