第十三章 大企業の末路

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   代表番号のみならず。唐橋物産の公表している電話番号に、マスコミが引っ切り無しに電話している筈。  回線はパンク状態か、対応する人間が足りないのかどちらかだろう。  監禁者への連絡をメールにしたのも、そうした事情があったのだろう。  酒出は、その辺りの事情を確認させる為に、松本に目配せする。それを察した松本は、店の外に出て携帯電話でどこかに電話する。  電話の相手は、柿崎かその部下であろう。  しばらくして戻った松本は、今現在の唐橋物産について話し始める。深夜の連行劇の翌日、唐津社長の逮捕状は請求された。ひとまず、監禁罪について。  労働基準法違反や、その他の余罪については。これからの聴取で、明らかになっていくだろう。  当然ながら、社長不在の状況となる。  社長どころか、重役の大半は監禁労働に絡んでおり。一度は、自宅に帰されたものの逮捕されてしまっている。
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