第十三章 大企業の末路

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   益子に、あのようなメールが来た事自体。不思議に思える程、会社の運営は立ち入っていない筈。  当然、株主たちも黙っていない。  唐津の一族が、大半の株を保有しているのだが。それ以外の一般の株主の中で、保有数の多い者が立ち上がる。社長以下、今回の事件に絡んだ重役の総辞職を要求しているのだそう。  このまま行けば、手にしている唐橋物産の株はただのゴミ屑と変わらなくなる。以前で言えば、株式証券がただの紙くずとなってしまうというところ。  そして更に、次期社長には唐津の一族では無く。萩 由美江を、という声が持ち上がっているのだとか。 「あの美人秘書にか。一般株主も、唐津のワンマン振りを見抜いていたのかもな」 「唐津の人間からは、彼女では若過ぎるという話が出ているそうですが」 「じゃあ、代わりに社長が務まる人間がいるのかね」  酒出の言葉に、松本は「その通りのようですと頷いた。
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