第一章 失踪者

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   それが今や、飲み屋横丁と化している。  この区画には、一般住宅はまだ存在していない。お陰で、飲み屋の客は夜遅くまで飲んで騒いでいるのだ。  ただし、そうした店は昔からの飲み屋では無く。意欲ある、若き店主の飲食店が多い。都内や県内の繁華街と比較し、家賃が安いのが要因の一つであろう。  その中にあって、異彩を放つ店がある。  ガールズバー【Gー3】だ。  ガール・ガール・ガールで、【Gー3】と名付けられたその店は、蛍光色の電飾が目を引く。  商店街でありながら、住宅街の色を見せるこの一帯である為。キャバクラや風俗店の営業は、反対の声が上がりそうなもの。  ただしこの辺りは、元々スナックが数店営業していた。その為か、【Gー3】は受け入れられたのだろう。  キャバクラとガールズバー。  街が受け入れる上での、両者の相違点については、その際どうでもいい事であろう。
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